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リーマン革命

小説

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 ニートの俺氏、生まれ変わったら、何もしなくても生きていける金持ちの社長になりたいと思っていた。
 しかし、現実はそう甘くはなかったのである!
 生まれ変わっても、ニートのままだったのである!

 穀潰し、働けと毎日言われる日々。
 すんません、俺も金を稼げるのなら稼ぎたいんです。
 でもできないんです。
 バイトですら長続きしない。

 今の時代、『親ガチャ』なんていう言葉もある。
 子は親を選べないっていうけど、それは親も一緒だよな。
 親の心子知らず。子の心親知らず。結局お互い様だ。どっちも思い通りにいきやしない。
 そうだ。親の選定で失敗したわけじゃないんだ。

 だけど彼らはわかっていない。
 全くわかっていない。

 俺みたいな人間は、働いたら死ぬのだと。

 働いたら負け、じゃない。そんな言葉、命かけて現場で働いている人の前で言えるわけねえ。ただのクズよりタチが悪くなっちまう。養われている分際で、そんな言葉吐き出せるかっての。俺の生死を握っているのは、俺じゃない。
 俺氏はただのクズを卒業して、使えるクズになりたい。

 働いたら死ぬんだ。物理的にではなく、精神的に。
 無理なんだよ。
 社会不適合者を社会に放り込むのなんて、虐めじゃないか。人間不信なんだよ、俺たちは。
 働けっていわれて、あくせく働いて、心を壊して終わりなんだよ。初めから不可能なんだ。
 蟻だってみんな働いているわけじゃない。怠けているやつもいる。
 だから、働けない人間ってのは、一定数生まれるんだよ。

 例えばの話、『お前をこれから偉人の群れに放つので、世界を変えるような偉人になれ』といわれて、万人ができるか? ってこと。それと同じ。多くの人間は挫折するに違いない。俺たちはその逆で、『お前をこれから一般人の群れに放つので、世界の歯車になれるような一般人になれ』といわれて、一般人になれなかった非凡の人間なんだ。
 
 特別な存在? 違う。非凡だから特別なんじゃない。ただ変わっているだけ。言うなれば、単なる変わり者。それは紛れもなく欠点だ。欠点を美点に変えるには、俺自身の世界を創造しなくちゃいけない。何もしない俺の殻を破る。

 俺氏が世界を変えてから、ようやく特別になるんだ。
 非凡とは、それ自体が特殊ではあるが、特別なものなんかじゃない。
 ダイヤの原石みたいに、磨き抜かれて初めて特別な何かになれる。
 何かを為さない非凡に、価値はない。

 というわけで、俺氏は、とってもいい方法を考えた。

 人にとって本当に優しい企業をつくる。
 そうすれば、俺氏が苦しんで働く必要もなくなる。
 俺氏と同じような人間も減る。
 頭を使うのは苦じゃない。
 あとはついてきてくれる人間がどれだけいるか。

 俺氏はその日バーチャルオフィスを借りて、起業した。
 
 これぞ正に『リーマン革命』だ!

 有無を言わずについてこい、俺の理想郷を見たいならば!!

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